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CMOが実際に読む月次AI可視性レポートの作り方(テンプレート+解説)

コピーして使える月次AI可視性レポートのテンプレート。5つの中核指標、注釈付きモックアップ、スライド構成、そして確率的な回答に関する誠実な但し書きまで網羅します。

結論

月次AI可視性レポートに必要な指標は5つです。シェアオブボイス、引用シェア、センチメントの内訳、エンジンカバレッジ、AIリファラルトラフィックです。それぞれをモニタリングツールから取得し、確率的な回答についての但し書きを1行加え、2つのベンチマーク(2026年のAIリファラルトラフィック0.32%とニュートラルセンチメント80.6%)をプロットしましょう。1ページ、1枚のスライド、そして実際に読むCMOが手に入ります。

最終更新:2026年9月

ほとんどのAI可視性プログラムが生み出すレポートは、2種類しかありません。1つ目は、モニタリングツールからの生のエクスポートです。作成したチーム以外の誰にとっても意味をなさない、プロンプト単位の行がずらりと並んだものです。2つ目は、何もないという状態です。アナリストがデータを、CMOが開きたくなるようなものへと変換しなかったからです。

このレポートには、まだ標準的な形式が存在しません。AI可視性はまだ新しい分野であり、ほとんどのチームは経営層向けレビューの前夜になって、その場しのぎでデッキを作っています。このガイドは、その標準を示します。5つの指標、1ページ、1枚のスライド、そして数値の誠実さを保つ但し書きです。

ほとんどのAI可視性レポートが場を失う理由

CMOは、40件のプロンプト結果など見たくありません。彼らが欲しいのは4つの答えです。自社は見えているか、引用されているか、どう説明されているか、そしてこの動きはトラフィックに表れているか、です。

その答えのどちらかにたどり着く前に、ほとんどのレポートは2つの誤りで沈んでしまいます。

1つ目は、ベンチマークのない生データの羅列です。比較対象のない数値、たとえば「シェアオブボイス34%」は、それが良いのか悪いのか、経営層に何も伝えません。

2つ目は、全エンジンをまとめた単一のブレンドスコアです。ブランドメンションは、ChatGPT、Perplexity、Google AI Overviews、Gemini、Microsoft Copilotの間で一致しません。ブレンドした平均値は、CMOが本当に見るべきギャップ、つまり自社ブランドが不可視になっている1つのエンジンを、まさに覆い隠してしまいます。

裸の数値ではなくベンチマークを先に示すレポートは、その場でより多くの信頼を得ます。シェアオブボイス34%を競合の41%と並べて示せば、その数値は埋めるべきギャップになります。比較対象なしに示せば、返ってくる最初の質問はいつも同じです。「それは良いのか?」

レポートに必要な5つの指標

レポートは、この5行だけを軸に組み立てましょう。それぞれが、経営層の具体的な疑問に答えます。

指標答える経営層の疑問何を測定するか
シェアオブボイス競合と比べて自社は見えているか?指名した競合セットに対し、関連プロンプトのうち自社ブランドが言及される割合
引用シェア単なる言及ではなく、情報源として扱われているか?自社ドメインのページにリンクまたは言及するAI回答の割合
センチメントの内訳登場したとき、どう説明されているか?言及のポジティブ・ニュートラル・ネガティブの三分割
エンジンカバレッジどこで勝っていて、どこで不在か?今期、5大エンジンのうちどのエンジンが自社ブランドに言及したか
AIリファラルトラフィックこの動きはウェブサイトに届いているか?サイト全体のトラフィックに占める、AIプラットフォーム経由のセッションの割合

それ以外のもの、つまりプロンプト単位の詳細、個々の回答の書き起こし、競合の詳細分析は、すべて付録に回します。CMOが実際に読むページには入れないでください。

レポートを6つのステップで作る方法

ステップ1: 今月のシェアオブボイスと引用シェアを取得する

「自社は見えているか」と「自社は情報源になっているか」に答える2つの数値から始めましょう。どちらも、モニタリングプラットフォームのシェアオブボイスレポートまたは引用レポートから、先月追跡したのと同じプロンプトセットに絞り込んで取得します。

Otterly.AIとTemsoはどちらも、月ごとにエクスポートできるシェアオブボイスの継続系列を保持しており、この行にちょうど必要な形です。今月の数値と先月の数値を、同じセルに記録しましょう。単独のスナップショットは、その前の数値がなければ何の意味も持ちません。

先月追跡したのと同じプロンプトセットを使いましょう。今期にプロンプトを追加または引退させた場合は、但し書きに一度だけ記載してください。見えない変更のせいで、実際に動いた数値の説明がうやむやになるのを防げます。

ステップ2: センチメントを1つの平均値ではなく、3分割で示す

センチメントを単一の「ブランドヘルス」の数値に圧縮しないでください。ポジティブ、ニュートラル、ネガティブの3分割で報告しましょう。

ほとんどのブランドは、ニュートラル寄りの基準値に近い水準にあります。rocketblue(旧Spotlight)が2026年2月に180万件を超えるAIブランドメンションを分析したところ、80.6%がニュートラル、18.4%がポジティブ、そしてわずか1%がネガティブでした。自社の内訳を、そのラインと並べてプロットしましょう。ベンチマークより明らかにネガティブへ傾いたセンチメントの内訳こそ、それを隠してしまう平均スコアではなく、真っ先に注意すべき数値です。

ステップ3: カバレッジをブレンド平均ではなく、エンジンごとに分ける

ChatGPT、Perplexity、Google AI Overviews、Gemini、Microsoft Copilotの5つのエンジンを、それぞれ個別に列挙しましょう。自社ブランドの存在感がゼロのエンジンも含め、それぞれについて言及フラグまたはパーセンテージを示します。

Peec AIのエンジン別ダッシュボードは、まさにこの行のために作られています。1つの合算値ではなく、モデルごとの内訳を並べて表示できます。Google AI Overviewsがギャップになっているなら、名指しでそう伝えましょう。SemrushのAI Toolkit内にあるAI Overview追跡機能は、そのエンジンだけを切り出して確認できます。AI OverviewsがCMOにとって最も気になる行である場合に役立ちます。すでに見慣れたGoogleの検索結果の中に表示されるものだからです。

ステップ4: 市場ベンチマークと並べてAIリファラルトラフィックを加える

これは、可視性とウェブサイトを結びつける行です。AIモニタリングツールではなく、アナリティクスプラットフォームからリファラー別に取得しましょう。リファラーがAIプラットフォームのドメインであるセッションを絞り込み、全セッションに対する割合として示します。

市場のラインと並べてプロットしましょう。SE Rankingの2026年トラフィック調査によると、AIプラットフォームは2026年に総ウェブサイトトラフィックの0.32%を占め、2025年の0.24%、2024年の0.02%から上昇しました。ほとんどのブランドは、いまだ1%を下回っています。絶対値よりも右肩上がりのトレンドのほうが重要なので、まずトレンドを、次に生の割合を報告しましょう。

ステップ5: 但し書きを一度だけ書き、毎月使い回す

AIエンジンは確率的です。同じ質問をした2人が、それぞれ違う回答を得ることもあれば、同じ人でも明日には違う回答を得ることもあります。これを無視したレポートは、誰かが自分で試した瞬間に、素朴なものに見えてしまいます。

これを解決するのは、毎月変わらない1つの文です。

「これらの数値は、[開始日]から[終了日]の間に収集した、1プロンプトあたり平均5回の実行を反映しています。AIエンジンはユーザーによって異なる回答を返します。本レポートが示すのは、個々の会話の保証ではなく、複数回の実行にわたるパターンです。」

これをページの末尾に、一度だけ置きます。レポート本文の数値ひとつひとつに、個別の但し書きを付けないでください。手法は一度だけ述べ、あとは数値そのものに語らせましょう。

ステップ6: 5つの指標を1ページと1枚のスライドにまとめる

CMOが読むのは、15タブのスプレッドシートではなく、1ページか1枚のスライドです。上記の5行を埋めたら、2つの形式に整えましょう。詳細を知りたい人向けの1ページレポートと、会議そのもの用の1枚のスライドです。どちらも以下に示します。

毎月同じ日に送りましょう。理想は、モニタリングツールの月次更新が完了した翌営業日です。予測可能なペースを保つことで、CMOはこのページが来ることを、四半期ごとの取締役会資料と同じように当たり前に期待するようになります。

プロットする価値のある2本のベンチマークライン

自社データの外にある2つの数値は、他に何も動きがなかった月でも、毎月スコアカードに載せる価値があります。

AIリファラルトラフィック: 2026年の総ウェブサイトトラフィックの0.32%。 SE Rankingの2026年トラフィック調査は、AIプラットフォームのシェアをこの水準とし、2025年の0.24%、2024年の0.02%から上昇したとしています。これは目標ではなく、市場の下限として扱いましょう。0.32%を上回るブランドは、平均的なサイトより先を行っていますが、必ずしも自社のカテゴリで先を行っているとは限りません。

センチメントの内訳: ニュートラル80.6%。 rocketblueが2026年2月に行った、180万件を超えるAIブランドメンションの分析では、ニュートラル80.6%、ポジティブ18.4%、ネガティブ1%という結果でした。AIエンジンは強い意見表現よりも事実ベースの言葉で製品を説明する傾向があるため、ほとんどのブランドはデフォルトでその内訳に近い水準に落ち着きます。エスカレーションする価値があるシグナルは、生のネガティブ比率単体ではなく、ベンチマークより明らかにネガティブへ傾いていく内訳のほうです。

この2本のラインは、毎月スコアカードにプロットしましょう。動いていくベンチマークに対して横ばいのトレンドも、それ自体が立派な情報です。

良いレポートの姿:注釈付き1ページレポートのモックアップ

ここでは、サンプルの数値を入れたレポートの構成を、セクションごとに注釈を付けて示します。

見出し(指標の羅列ではなく、動きの方向を示す1文)

「今月、シェアオブボイスは5エンジン全体で34%を維持。引用シェアは、新設した2本の比較ページの効果で11%から15%へ上昇。」

スコアカード(5つの指標を、今月・先月・ベンチマークで比較)

指標今月先月ベンチマーク
シェアオブボイス34%33%上位競合: 41%
引用シェア15%11%自社のトレンドを追跡(市場基準なし)
センチメントの内訳ニュートラル79% / ポジティブ19% / ネガティブ2%81% / 16% / 3%カテゴリ基準: ニュートラル約80.6%(rocketblue、2026年2月)
エンジンカバレッジ4/53/5目標: 5/5
AIリファラルトラフィックセッションの0.41%セッションの0.36%市場平均: 0.32%(SE Ranking、2026年)

エンジン別詳細(エンジンごとに1行。平均に埋もれさせず、ギャップを名指しで見せる)

ChatGPT: 言及あり。Perplexity: 言及あり。Google AI Overviews: 言及あり。Gemini: 言及あり。Microsoft Copilot: 今期は言及なし。

来月の3つのアクション(スコアカードが示したギャップに直結させる)

  1. Bingにインデックスされる比較ページで、Copilotのギャップを埋める。
  2. 引用可能なリファレンスページをもう1本公開する。今四半期、引用シェアは最も動きの速い指標だ。
  3. センチメントは現状維持。今期、修正が必要なネガティブ言及の発生源はない。

但し書き(ステップ5の文をそのまま使う)

これで1ページ分がすべてです。5行、1つの見出し、3つのアクション、1つの但し書き。

コピーして使えるスライド構成

同じ内容を、レビュー会議そのもの用に8枚のスライドのデッキへと組み立て直しましょう。

  1. タイトルスライド:「AI Visibility:[月]レポート」
  2. **見出し:**動きの方向を示す1文。大きな文字で、グラフなし
  3. **スコアカード:**5指標の表。今月 対 先月 対 ベンチマーク
  4. **エンジン別内訳:**5つのエンジンをすべて名指しで列挙し、ギャップを明示
  5. **センチメント詳細:**3分割の内訳に加え、ニュートラルとポジティブの言及の抜粋を1つずつ
  6. **何が、なぜ動いたか:**先月実施したアクションのうち、数値を動かした1つか2つ
  7. **来月のアクション:**今月のギャップに紐づく3項目
  8. **調査方法の注記:**但し書き、実行回数、対象期間

この構成を、好みのデッキ作成ツールにコピーして、5つの指標を埋めましょう。このリストのどの項目も、表1つと文1つ以上のものは必要としません。

Peec AI、Otterly.AI、Semrushを含む、モニタリングプラットフォームの幅広い一覧は/rankings/ai-visibility-toolsにあります。4つのツールを組み合わせてスコアカードを埋めるのが面倒な場合、Temsoなら1つのワークスペースでシェアオブボイス、引用シェア、センチメントの内訳、エンジンカバレッジを追跡できます。月額89ドルからです。AIリファラルトラフィックだけは、引き続き自社のアナリティクスから取得する必要があります。引用シェアやシェアオブボイスといった用語の定義は/glossaryに、上記のベンチマークを支える採点手法の全体像は/methodologyにあります。

上記のスコアカードを使って今月のレポートを作りましょう。まず1行の見出しを書き、CMOに聞かれる前に1ページレポートを送りましょう。

FAQ

経営層へのAI可視性レポートは、どのくらいの頻度で送るべきですか?

定常的なペースとしては月次で送りましょう。製品ローンチ、大型のPRイベント、あるいは自社カテゴリに関するAI生成回答を変化させる競合キャンペーンの後には、臨時の更新を1回追加します。週次レポートはAI可視性データにとってノイズが多すぎます。1週間だけでは、実際の変化と通常のばらつきを見分けるのに十分な実行回数をエンジンから得られません。

AI可視性レポートに入れるべき5つの指標は何ですか?

シェアオブボイス、引用シェア、センチメントの内訳、エンジンカバレッジ、AIリファラルトラフィックです。この5つを合わせると、CMOが実際に問う4つの疑問、つまり自社は見えているか、情報源として引用されているか、どう説明されているか、そしてこの動きはウェブサイトに届いているかに答えられます。

確率的なAIの回答を、経営層にどう説明すればよいですか?

サンプルサイズは、レポートの末尾に1文だけ、1回だけ記載します。1つのプロンプトあたりの実行回数と、その対象期間です。そのうえで、すべての数値を個々の会話の保証ではなく、それらの実行にわたるパターンとして説明しましょう。こうすれば、見出しを但し書きで埋め尽くすことなく、レポートの誠実さを保てます。

AIリファラルトラフィックの適切なベンチマークは何ですか?

SE Rankingの2026年トラフィック調査によると、AIプラットフォームは2026年に総ウェブサイトトラフィックの0.32%を占め、2025年の0.24%、2024年の0.02%から上昇しました。この数値は目標としてではなく、市場の下限として使いましょう。ほとんどのブランドでは、AIリファラルはいまだセッションの1%を下回っており、絶対値よりも右肩上がりのトレンドのほうが重要です。

AIによるブランド言及で、標準的なセンチメントの内訳とはどのようなものですか?

rocketblue(旧Spotlight)が2026年2月に180万件を超えるAIブランドメンションを分析したところ、80.6%がニュートラル、18.4%がポジティブ、そしてわずか1%がネガティブでした。ほとんどのブランドはこのニュートラル寄りの基準値に近い水準にあるため、ベンチマークより明らかにネガティブへ傾いたセンチメントの内訳こそ、真っ先に注意すべき数値です。

レポートはどのAIエンジンをカバーすべきですか?

標準セットとしてChatGPT、Perplexity、Google AI Overviews、Gemini、Microsoft Copilotを追跡し、そのうえで自社の買い手に最もリサーチトラフィックを送っている2〜3のエンジンに記述の重点を置きましょう。エンジンカバレッジの行には、自社ブランドの存在感がゼロのエンジンも含め、必ず5つすべてを表示してください。そのギャップ自体がストーリーの一部だからです。